━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ SKA-JP News Letter 2016/8/1#008 発行部数 195 部 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ INDEX ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【1】SKA-JPからのお知らせ(4 7月活動報告・8 11月の予定) 【2】SKA機構本部からのニュース ピックアップ(4 7月分) 【3】その他お知らせ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┏━┓ ┃1┃SKA-JPからのお知らせ(4 7月活動報告・8 11月の予定) ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ------------------------------------------------------------- ▼ ASKAP2016がシドニー大学にて開催 ------------------------------------------------------------- ASKAP2016 Workshopは、6月6日から10日にかけてシドニー大学にて、 ASKAP Early Science Program(ESP)の始動に合わせて開催されました。 ASKAP Survey Science Programs (SSPs)の始動ということもあり、SSPsに 参加する面々がほぼ一同に会して、ESPではどんな観測から手をつけるのか について、それぞれ議論がなされたようです。研究会では、それぞれのSSPs についての全貌とESPでの取り組みについて紹介されました。特に筆者が注目 した点は、広視野を誇るASKAPにおいて、膨大な観測データに対するほぼ実 時間に近い較正と、最終的に保管される三次元イメージキューブの合成手続き を確立することが、大きな課題になることが強調された点です。 SKAへとつながる重要な課題であり、そのSSPsへの参加を通してそのノウハ ウを吸収していくことが、我々にとって重要となることでしょう。 (文:鹿児島大学 今井裕) ------------------------------------------------------------------------------------ ▼ AU-JP School on Low Frequency Astrometry in the SKA Era ------------------------------------------------------------------------------------ 日豪共同研究交流事業(DFAT及びJSPS二国間共同研究事業)の一環として、 今年3月に鹿児島大学で開催された勉強会に引き続き、6月15日から17日 に掛けて開催されました。 6月14日の事前討議も含めて、最新のVLBIアストロメトリの進捗について情 報を交換しました。 重要な項目としては、(1)校正用参照電波源を複数個ほぼ同時に観測する手 法により、測量対象電波源方向の電離層効果(超過遅延時間)を推定・除去す る方法が有効であること、(2)周波数の二乗で効く電離層の効果を直接測定 するためには、2--3GHzから20GHzに掛けての広い帯域に渡って同時に連続波 源データを取得する必要があること、(3)日本のVERAや米国VLBA同様に、 南天においてもタスマニア大学が所有する5台の電波望遠鏡を利用した天の川 銀河測量の事業が近々始動すること、などが挙げられます。今後の日豪VLBIア ストロメトリ共同研究に繋がる有意義な議論ができたと思います。 (文:鹿児島大学 今井裕) ------------------------------------------------------------- ▼MWA-Japanキックオフミーティング開催 ------------------------------------------------------------- 7月5日(火)、名古屋大学にてMWA-Japanキックオフミーティングが 開かれました。MWAはSKA-lowのprecursorであり、宇宙再電離21cm線の 観測や100MHz帯の全天サーベイを行います。今年度からSKA-Japan再電 離チームのコアメンバーを中心にMWAに参加することになりました。 ミーティングにはテレビ会議も含め15名が参加し、どのようなサイエン スが可能なのか、日本はどのように貢献するのかなど、活発に議論が行わ れました。特に、すばるHSCと21cm線との相互相関やスパースモデリン グによる宇宙再電離の研究、ファラデートモグラフィによる宇宙磁場研究、 HIやその他の輝線による銀河系・銀河進化の研究、FRBの低周波観測などが 日本の興味として強くあり、サイエンス・データ解析ともに大きく貢献でき る見込みであることがわかりました。 研究会の内容は以下wikiページでも紹介しておりますので、興味のある会員 の皆様はどうぞご覧下さい。 https://mwg.sci.kagoshima-u.ac.jp/wiki/pages/r573E3w2n0/MWAJP.html (文:熊本大学 高橋慶太郎・名古屋大学 市來淨與 ) ------------------------------------------------------------- ▼SKA-JP EWGより ------------------------------------------------------------- 技術検討班では SKA および日本の産業界に貢献するため、SKA に必要な技 術と日本のもつ関連技術の調査を行っています。SKAは砂漠という厳しい 土地に大量のアンテナを建設するため、構成部品には「高信頼」「省電力」 「低価格」であることが求められます。技術検討班ではこれらを満たすよう な日本の技術を調査し、(株)東陽テクニカの賛助を得て企業数社と打ち合 わせするなど、産業界との連携を模索しています。その延長として、学術機 関のみならず企業の技術者を招いてSKA ビジネスについて話し合うイベント 「SKA Industry Day」を開催する予定です。SKAはもちろん、将来の日本の 電波天文学や産業界に資するような、要素技術の提案と開発を目指します。 (文:山口大学 青木貴弘) ------------------------------------------------------------- ▼日本SKA合同サイエンス会議の案内 ------------------------------------------------------------- 4SWG(宇宙磁場、星間現象、突発天体、パルサー)の共催により日本SKA 合同サイエンス会議「宇宙磁場:銀河系内現象から大規模構造へ」を開催し ます。日程は2016年10月27日-29日(山形、蔵王)です。 申し込み締め切りは9月9日(金)となっております。参加申し込み、参加費 など詳しい案内はTENNETにアナウンスがありますのでご確認下さい。 (文:九州大学 町田真美) ┏━┓ ┃2┃SKA機構本部からのニュース ピックアップ(4 7月分) ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年4月から7月にSKA機構本部からリリースされたニュースのタイトルを ピックアップしました。詳しくは各リンクをご覧下さい。 ▼ 豪州Parkes 64m望遠鏡をSKA Pathfinderに認定(4/7) https://www.skatelescope.org/news/parkes-telescope-granted-ska-pathfinder-status/ ▼ 欧州委員会がSKAを重点プロジェクトと認定(4/20) https://www.skatelescope.org/news/ec-identifies-ska-as-landmark-project/ ▼ 第3回政府間組織(IGO)協議が無事終了(4/26) https://www.skatelescope.org/news/3rd-ska-igo-negotiations-conclude-in-rome/ ▼SKA DISHアンテナの最終デザイン決定(5/13) https://www.skatelescope.org/news/ska-selects-final-design-ska-dish/ ▼スウェーデン開発のBand1フィードがカナダでの試験へ(6/16) https://www.skatelescope.org/news/swedens-biggest-contribution-to-ska-ready-for-testing/ ▼HERAがSKA precursorに仲間入り(7/4) https://www.skatelescope.org/news/hera-ska-precursor/ ▼南アフリカMeerKATのファーストライト画像が公開 (7/18) https://www.skatelescope.org/news/south-african-ska-precursor-telescope-meerkat-goes-online/ ▼欧州サイエンス オープン フォーラム2016にてSKA特別企画が開催 (7/19) https://www.skatelescope.org/news/media-advisory-ska-at-esof-2016/ ▼英国EU離脱に関するSKA機構ボード会議からの声明 (7/23) https://www.skatelescope.org/news/statement-from-the-board-of-directors-of-ska-organisation-on-the-outcome-of-the-uks-eu-referendum/ (文:鹿児島大学 中西裕之) ┏━┓ ┃3┃その他お知らせ ┗━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年8月以降に開催のSKA関連研究会をピックアップしました。詳しくは 各リンクをご覧下さい。 ▼SKA Engineering Meeting 2016(年1回開催のSKA Engineering会議) 日時:2016年10月2-6日、場所:Stellenbosch, South Africa https://indico.skatelescope.org/event/402/ ▼The First Pietro Baracchi Conference: Italo-Australian Radio Astronomy in the Era of the SKA 日時:2016年11月1-4日、場所:Perth, Australia http://www.atnf.csiro.au/research/conferences/2016/Baracchi/ ▼SPARCS (SKA Pathfinders Radio Continuum Surveys) 日時:2016年11月3日(木)から5(土) 場所:Goa, India http://www.ncra.tifr.res.in/ncra/news-events/sparcs-2016 ▼ASIONS (Asia SKA Initiative On Neutron Stars) 日時:2016年11月4日(金)から5(土) 場所:Goa, India ▼SKA 2016: Science for the SKA Generation(年1回開催のSKA Science会議) 日時:2016年11月7-11日、場所:Goa, India https://indico.skatelescope.org/event/391/ ▼Fast Radio Burst: New Probes of Fundamental Physics and Cosmology 日時:2017年2月11-17日、場所:Aspen Center for Physics http://aspen17.phys.wvu.edu ▼Fundamental Physics with the SKA 日時:2017年5月1-5日、場所:Flic-en-Flac, Mauritius http://skatelescope.ca/fundamental-physics-ska/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【編集後記】 今回ニュースレター8月号ではSKA機構本部のニュースをピックアップし てみました。SKA-JP会員の皆様からの寄稿も受け付けておりますので、 是非お寄せ下さい。 【次号の原稿募集および発行予定】 次号2016年12月号の原稿〆切は11月11日(金)、発行は12月1日 (木)です。8 11月に開催された企画、12月ー翌3月に開催の企画 など情報をお寄せ下さい。記事の一部はSKA機構本部発行のSKA eNEWS にも使わせて頂きます。 【SKA-JP News Letterの配信停止】 下記にて手続きを行ってください。 ⇒ http://ska-jp.org/MailMag/deregistration.html (配信停止はもうしばらく待ってみませんか?あまりにたくさんの 停止願いがあると、編集部が拗ねてしまうかもしれません。) 【配信先メールアドレス変更方法】 1)下記にて現在のメールアドレスの配信停止を行ってください。 ⇒ http://ska-jp.org/MailMag/deregistration.html 2)下記にて新しいメールアドレスをご登録ください。 ⇒ 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