Miscellanea

このページにはSKA、SKA-JPに関する色々な情報を掲載しています。

日本が技術的に貢献できると見込まれているところ

SKA計画は2大陸でそれぞれ3千kmに広がる100万台のダイポールアンテナと2千台のパラボナアンテナを、将来50年に渡って運用する巨大な計画です。 その計画の達成のためには、 多くの克服するべき技術的課題があります。
それらに共通するキーワードは「高信頼性」「低コスト」「低電力」です。
日本の技術界・産業界は、世界でもトップレベルの信頼 性と省エネ技術を有しています。コストは割高と言われますが、しかし50年の期間で考えれば、対応年数の長い装置作りは補修経費や保守費用なども考えたライフタイムコストの削減に大きく寄与します。
ゆえに、日本の貢献には期待されています。以下が、科学者から見て日本がSKA計画に貢献できると見込まれる開発項目の例です。



・高機能新素材
 カーボンナノチューブ、炭素繊維、低損失光ファイバーなど
 新世代航空機の構造部材の多くに日本製の炭素繊維強化プラスチックが用いられています。

・電力
 スマートグリッド、低損失送電システム(HVDC送電)、蓄電技術など
 エコは日本の昔ながらの文化であり世界に秀でた技術です。

・密開口アンテナ
 全てが開発課題

・フェイズド・アレイ技術
 システム安定性や有効視野の向上など

・広帯域フィード
 帯域拡張と安定したゲインなど

・冷却システム
 高信頼性、低電力、設置の自由度など

・ビーム形成器
 高性能、高信頼性、低電力など
 初代放送衛星では当時としては世界で初めて、近隣国に放送電波が漏れないようなホーンを設計した実績が日本にはあります。

・高信頼性製品の大量生産
 3千kmに広がる望遠鏡のメンテナンスコストの削減
 例えばMIL規格製品を民生品で実現する。ALMA望遠鏡の素子アンテナでは日本企業が世界で最初に要求性能を実現しました。

・情報通信技術
 100万台のアンテナを繋ぐ光ファイバーネットワークなど

・シグナル処理
 システムRFIの軽減、高速AD変換器など

・相関処理
 GPGPUやFPGAを用いた相関器、相関のアルゴリズム

・科学データ処理
 データの較正、自動データパイプラインの開発

・省エネスパコン
 グリーン500などに代表される電力効率の高い計算機
 日本は世界でトップレベルの省エネスパコン開発国です。

・ビッグデータ
 データ収集、転送、保存、処理など

・大規模システムの高精度運用
 高度な管理ノウハウ
 例えば、COMTRACK(東海道-山陽新幹線)やATOS(東京圏通勤列車)などの大規模高精度な統合的鉄道運行管理システムは世界を驚かせています。

・高性能産業用ロボット
 過酷環境下(砂漠地帯)での望遠鏡の制御と保守
 過酷環境下での人への負担を減らし、管理コストも削減します。