SKA-JPとは?

Square Kilometre Array (SKA) は周波数100MHzから25GHz、アンテナ2000-3000台からなる巨大な電波干渉計です。
宇宙の生命史に絡む複雑な分子輝線を探査することから、 惑星系の探査、 銀河進化と宇宙の構造形成、 重力場での相対性理論を検証、 ダークエネルギーの解明など、天文学の諸問題が解決できると期待されています。 本ウェブページは主に国内での活動について紹介します。

科学的な意義

SKAはセンチ波・メートル波帯の汎用性の高い望遠鏡であり、太陽系から宇宙論規模のスケールまで、幅広い科学的研究が飛躍的に進むと期待されている。
とりわけ以下にあげる5つの研究テーマは、最も科学的インパクトの高い課題に掲げられている。

1. 宇宙における生命:高空間分解能観測によって半径 数AUの原始惑星円盤を直接撮像し、惑星の誕生を明らかにする。また生命に結びつくような複雑な分子輝線を長波長の電波で探査し、生命の誕生に迫る。さらに地球外生命から発せられる電波を捉えるSETIも、現実的観測課題である。

2. 宇宙の暗黒時代:宇宙の再電離が起こる頃の中性水素原子ガスを直接観測し、再電離離の過程とそれを引き起こした宇宙最初の天体を捉える。またこの時代に初め て生成される一酸化炭素などの分子輝線や、宇宙最初のブラックホールを捉える。

3. 宇宙磁場の進化:数億の背景天体について回転量度の全天サーベイを行い、銀河系から遠方銀河にまでわたる宇宙磁場の分布を調べ その起源と進化を探る。

4. 重力理論の検証:2重パルサーやブラックホールと連星系をなすパルサーのパルスを測定することにより強い重力場での相対性理論を検証する。また銀河系中にあ る多数のパルサーを観測することによって、我々の近傍を通過する重力を捉える。

5. 銀河進化: 中性水素原子輝線で全天サーベイ観測を行い、z=1.5までの銀河分布図を描きだす。これにより銀河進化と宇宙の構造形成、ダークエネルギーの性質を 明らかにする。また連続波観測では最も遠方の星形成や重力レンズ効果を探る。

SKA-JPが推進するサイエンス

SKAによるサイエンス(Design Reference Missionより)

さらに詳しいSKA-JP内のSWGについては、下記ボタンよりご覧ください。

SKAのテクノロジー

所要経費

建設費2000億円(初期投資:2000億円、運営費等:年間200億円)

建設計画

平成19-24年度:望遠鏡のデザイン検討、所要経費見積もり
平成21-24年度:アンテナの試作機がオーストラリア、南アフリカに建設
平成25年度:アンテナ建設地の決定。最終的な国際組織の設立。
令和3年度-令和11年度:低周波・中間周波SKAの建設。
令和7年度-令和9年度:初期運用
令和11年度:本格運用