第2回 SKA技術開発ワークショップ

次世代電波望遠鏡SKAに向けた技術開発ワークショップを下記の通り開催します。 本ワークショップは、SKA-Japanが提案したSKAへの技術寄与方針に基づき、実際にそれらを開発するための体制強化と、新たな技術要素の発掘を目指すものです。 SKAや電波観測に関わる幅広い技術分野について、学術界、産業界に関わらず講演を歓迎します。

開催趣旨

SKA計画とSKA-Japanの活動

SKA (Square Kilometre Array) は世界10カ国以上が参加し、国際組織の枠組みを構築しつつ、多くの国々の研究者と技術者の英知を結集して設計と建設が進められている次世代電波望遠鏡です。そのcritical design reviewが来年、発注・建設が2019年より開始されます。その後2024年頃の運用開始から5年間を第一期 (SKA1)、それ以降を第二期 (SKA2) と定めており、それぞれのタームで必要な技術は異なります。我々SKA-Japanは、このSKA計画へ日本国として参加するべく、SKA機構本部へ研究者を長期派遣して詳細な情報収集と参加方式の模索を進め、科学的・技術的貢献の可能性について国際研究会での発表などを行ってきました。

日本としてのSKAへの技術寄与方針

それらの活動を通して、SKA1で日本が寄与できうる技術要素、SKA2に向けて提案できる技術要素を具体化してきています。現在は3つの主な寄与方針として、
 ・14 - 27 GHz帯受信機系の開発、
 ・FPGAを主とした信号処理部へのVLBI観測モード実装、
 ・望遠鏡システムの組み立て・統合・評価試験、

を挙げています。今後は、それらを実現・納品できるように開発体制を強化し、実際の開発に着手することを目指します。併せて、
 ・観測性能を高めるための更なる広帯域受信技術
 ・高速な信号伝送、処理技術 (ソフト・ハード)
 ・SKA2で深刻化する電力問題を解決する技術

についても試験と検証を進めています。また、SKAは膨大な数のアンテナを広大な砂漠に分散配置するため、技術的には

「高信頼」「省電力」「低コスト」

がキーワードであり、それを満たす技術についても発掘を続けます。

本研究会の狙い

本研究会では、それらの情報を国内研究者・技術者と共有し、関連技術の日本国内での開発体制を確認し計画を具体化します。一方で、大規模な開発投資や受注につながる可能性のあるSKA技術開発には、学術界のみならず産業界との連携が重要となります。そこで本研究会では、広く学術界・産業界からの口頭講演とポスター講演(両方も可)を歓迎します。また、意見交換の時間を長く設けることで各界の交流を図り、技術開発を加速させ、新たな研究シーズを想像し創造する機会としたいと考えています。

日時・場所

日時: 2017年12月18日 (月) 10:00 - 17:00
場所: 鹿児島大学 郡元キャンパス 稲盛会館

プログラム

電波観測に関わるハード・ソフト、その他の幅広い技術について、学術界・産業界問わず講演を歓迎します。

10:00-10:25 赤堀卓也 (国立天文台) 人類未踏の大陸望遠鏡:SKA計画
10:25-10:50 市來淨與 (名古屋大学) SKA-JPサイエンスワーキンググループの活動とグループからの要望
10:50-11:10 休憩・ポスター講演
11:10-11:35 青木貴弘 (山口大学) SKA-JPエンジニアリングワーキンググループの活動と日本の技術寄与方針
11:35-12:00 熊澤寿樹 (㊑東陽テクニカ)
12:00-13:00 休憩・ポスター講演
13:00-13:25 小林秀行 (国立天文台)
13:25-13:50 河野裕介 (国立天文台) SKA VLBI & AIV
13:50-14:15 今井裕 (鹿児島大学) SKA1-MID Band-5 受信システム開発に向けて
14:15-14:35 休憩・ポスター講演
14:35-14:55 氏原秀樹 (NICT) 広帯域フィードの開発と応用
14:55-15:15 吉田賢史 (鹿児島大学) ミリ波帯通信モジュール用基板間信号伝送線路の研究開発
15:15-15:35 加屋野博幸 (東芝)
15:35-16:00 休憩・ポスター講演
16:00-17:00 議論

参加申込

参加申し込みはこちらから。(申し込みは終了しました。)

懇親会費:4,000円程度
口頭講演の申込締切:2017年11月29日 (水)
ポスター講演の申込締切:2017年12月13日 (水)

主催・世話人

連絡先: ews2017@ska-jp.org

 ・日本SKAコンソーシアム: 青木貴弘 (山口大学)、今井裕、中西裕之、半田利弘 (鹿児島大学)
 ・鹿児島大学 地域コトづくりセンター 次世代電波望遠鏡SKAに利用可能な工学技術検討会
 ・鹿児島大学 大学院理工学研究科 天の川銀河研究理工学センター

参考資料

  • 日本SKAコンソーシアム「技術開発」地域会議 in 鹿児島

  •   本ワークショップの前身にあたる、SKA-JP技術検討班による第1回目のワークショップです。
  • 案内ポスター(PDF1MB)

  •   本ワークショップの案内ポスターです。
  • SKA-JPエンジニアリングレポート(PDF 45MB)

  •   SKAに技術寄与するために収集した情報をまとめた資料です。
    現在は2021年版が公開されています。詳しくはこちらをご覧ください。
  • SKAパンフレット(PDF 3MB)

  •   国内の研究者、技術者に向けたSKA広報パンフレットです。
      (株)東陽テクニカ 熊澤様のご協力の下、企業展示会などで頒布しました。